専門学校の学科

世の中にはよく分からないことがたくさんあるけれど、専門学校の学科名ほどよく分からないものはない!なんて言うと怒られそうなのですが、専門学校の学科名の種類は、大学や短大と比べても本当に多く、簡単に数えてみても1000科以上もあります。

その上、毎年のように新しい学科ができたり、なくなったりしています。

どうしてこんなにいろいろな学科があるのでしょうか。その複雑さの理由は、専門学校が「即戦力を育成する学校」というところにあります。

世の中をざっと眺め回してみると、実にたくさんの職業に就いている人がいることに気がつきます。

デザイナー、事務員、自動車整備士、看護師、公務員などなど。さらに、こういった職業はより専門的なものへと細分化されていきます。

たとえば、デザイナーであれば、建築デザイナーやインテリアデザイナー、服飾デザイナーという具合に分類化され、さらに服飾デザイナーは和服デザイナーや洋服デザイナーへと、洋服デザイナーはカジュアルファッションデザイナーやブライダルファッションデザイナーへと細分化されていきます。

また、消費者のニーズや時代の変化に合わせて、企業は次から次へと新しいビジネスを生み出します。

そして、それに対応するように、専門学校はカリキュラムを変化させていきます。

ですから、職業の数だけ学科があり、その分だけ学科名があるというのも、当然というわけです。

学科名が授業の内容を示しているなら選びやすいな、と考えるのは間違いです。

学科名はただの看板であって、それがカリキュラムの中身を表しているとは言えません。

もちろん、「コンピュータープログラミング科」で調理師免許の勉強はしないでしょうし、看護師の勉強もしないでしょう。

でも、何のためのプログラミングを勉強するかは、この名前からでは分かりません。

一口にコンピュータープログラミングといっても、ワープロや表計算ソフトのようなビジネスアプリケーションかもしれませんし、ウィンドウズのようなOSか もしれません。もしかしたら、ゲームかもしれません。

それにゲームといっても、2Dタイプのものかもしれないし、ポリゴンを使った3Dのゲームかもしれません。

プログラミングの言語は分野によって違いますし、手法も違ってきます。

ですから、「コンピュータープログラミング科」という名前から判断できるのは、あくまでも「コンピューターのプログラミングに関することを勉強する学科」ということだけです。

中には名前からは想像がつかない学科名もあります。たとえば、「クリエイティブビジネス科」なんていう科がありますが、何を勉強するか見当がつきますか?

「クリエイティブ」だから「創造」で、創造ビジネス科?分かることといえば、看護婦とはあんまり関係ないかな?ということぐらいです。

このほかにも、専門学校にはカタカナの学科名がたくさんあり、混乱の原因になっています。